夜中に足がつる
慈恵医大第三病院整形外科の竹下美遊と申します。
今回は、夜中に足がつる原因と予防法、またその治療法に関してご説明させて頂きます。
足がつるというのは、無意識に強い筋収縮が突然発生することで、「こむら返り」とも言われています。また、医学用語では「有痛性筋痙攣」と表現されています。
就寝中に足がつって、その痛みで夜中に起きてしまう経験をされたことがあると思います。年齢を経る毎にその発生頻度は高くなり、50歳以上では、ほぼ全員が1度は夜間のこむら返りを経験しており、60歳以上の約6%が毎晩、こむら返りを経験しているという報告もあります。
ではなぜ中年以降でこむら返りの発生頻度が高まるのでしょうか。
まず、筋肉の細胞の興奮には、イオンのバランスが関与していると言われています。就寝中は汗をかいて脱水傾向になり、イオンのバランスが崩れ、容易に筋肉が興奮しやすくなります。
そして、中年以降で発生頻度が上がる原因の1つとして、筋肉量の低下が言われています。筋肉量が減ると筋肉内の血行が低下します。その結果、乳酸等の疲労物質の排出がしづらくなり、末梢神経の興奮を抑えにくくなると言われています。そのため、脱水等でイオンのバランスが崩れ、興奮した筋肉の細胞を抑えることが出来ず、持続的な筋収縮、すなわち、こむら返りを生じてしまいます。
予防に関しては、規則正しい生活やバランスの良い食事が大切と言われています。
また、治療法ですが、漢方薬等の内服薬を使うこともありますが、ご自身で出来る、
発生時のストレッチをご紹介させて頂きます。
写真のように、手でつま先を持って膝裏を伸ばすストレッチが有効とされています。また、治療だけでなく予防にもなると言われておりますので、就寝前に是非、試してみてください。
何かお困りのことがありましたら、お気軽にご相談下さい。
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